Quantcast
Channel: haconiwa
Viewing all articles
Browse latest Browse all 411

オーストラリアで自給自足したり、メキシコでCMに出たり...思い出に残る旅のエピソード

$
0
0
    長綱淳平さん&桃絵さん

    長綱淳平さん&桃絵さん
    (ながつなじゅんぺい&ももえ)

    2007年から3年半をかけ世界一周旅行を決行。 帰国後、小さな出版プロジェクト「World &
    Sons. Bookseller」を立ち上げる。
    旅の間に記録していた写真と日記を編集した"旅のZINEシリーズ"は、vol.1のジンバブエ編から最新号コロンビア編まで計14冊にわたる。


    【LINK】
    World & Sons. Bookseller

    【WORK】
    travel zine series
    長綱淳平さん&桃絵さん

    箱庭(以下:h):旅をしていた3年半の間、色んな国を訪れたと思いますが中でも一番印象に残っている国は?

    桃絵さん(以下:桃):たくさんありますが、中でもアルゼンチンはすごく好きな国です。ブエノスアイレスは音楽やサッカー、美味しい料理(笑)など何をしても楽しい街。南部のパタゴニアも自然が溢れていて素敵な土地でした。


    h:オーストラリアには結構長く滞在されていたんですよね?

    桃:はい。オーストラリアにはワーキングホリデーで行きました。1年ほど暮らしていたので印象に残っている思い出がたくさん。毎日午後3時くらいに仕事が終わるんですが、その後は海へ行って釣りをしたりしていました。イカとかたまにタコやカニが釣れてそれを調理して夕飯にしたり(笑)。

    h:すごい!自給自足生活ですね。オーストラリアではどんな生活を?

    桃:そうなんです(笑)。オーストラリアでは、遠くの鉱山へ出稼ぎに行っていた人が空けた家に住んでいました。空けている期間中は私達がそこに住んで家を維持しておくんです。その家にはペットの犬が2匹いたので散歩をさせたり、家の中をお掃除したり。長く一緒にいたのでその家を離れる時は2匹の犬と別れるのが寂しかったですね。向こうの人達は夕方5時前には仕事を切り上げて、その後は余暇にあてるんです。

    私たちも現地の人たちと同じように暮らしていたので、仕事が終わってからなかなか時間が経たなくて(笑)。1日に大体5~6時間くらいしか働かないんですよ。でも時給は日本よりも高いので生活には特に困りませんでした。だからそこで働いて次の旅の資金を貯めるという感じでしたね。オーストラリアでは普段平和で穏やかな土地なんですが、一度滞在中に強盗に遭ったことがあって。

    h:強盗ですか!? ひゃ~それは物騒な...。

    淳平さん(以下:淳):オーストラリアを出国する前日に友人たちとカジノに行ったんですが、その帰り道で強盗に遭ったんです。酔っぱらった若者たちが「小銭をくれ」って声をかけてきて、逃げようとしたらまず僕が首を絞められたんですよね。そしたら彼女がもう1人の男に「お金を出さないと彼がどうなるかわからないよ」って脅されてて。それでも最初は「最後の日に今まで貯めた資金をとられてたまるか」って悔しい思いもあって2人ともなかなか出さなかったんです。そしたらしびれを切らしたのか「全部よこせ」って鞄ごと持っていかれちゃって。カードもお金もすべて。唯一パスポートだけは宿に預けてあったから無事だったんですけど...。

    桃:でも彼、バッグを盗られた後にその若者たちを追いかけていこうとしたんです。今冷静に考えたらかなり危険ですよね(笑)。その日の夜は警察へ行ってから宿へ帰ったんですけど、翌朝警察から連絡があって「捕まえましたよ」って。たまたまその若者たちが指名手配されていたらしくて、別件で逮捕された時に私たちの財布を持っていたみたいです。中身のお金は全部使われちゃっていたんですけどね。最後の最後でお金を盗られたのはショックだったけど、翌日に犯人を捕まえたオーストラリアの警察のスゴさを感じました。

    長綱淳平さん&桃絵さん

    h:他の国ではそういう危険な目に遭わなかったんですか?

    淳:エチオピアで現地の人に「一緒にバーに行こう」って言われて、コーラだけ頼んだら会計が200ドルだったんです。誘った人がお店の人とグルになって僕らをぼったくろうとしたんですよね。実際はもっと安いので、払わず出ようとしたら体格のいい大男が登場して「席代だ!払え!」って言われて。仕方ないのでとりあえずお金渡して逃げるように帰りました。で、その後に僕らをバーに誘った男が「ヘイブラザー、また飲みに行こうな!」って普通に話しかけてきてびっくり。その精神状態たるや(笑)。

    桃:アルゼンチンのブエノスアイレスには、バックパックを背負っている旅行者に後ろからケチャップかけて荷物を盗むスリがいるんです。ケチャップに動揺しているうちに荷物を盗られるっていう。それは以前から聞いていたので、実際「なんか付いてるよ」って声をかけられた時に「あ!これだ」と思ってダッシュで逃げました。逃げ切ったところで荷物下ろしてみたら、ものすごい量のマヨネーズがかけられてて。荷物は無事だったんですけど、ここまでかけなくていいでしょっていうくらいの量で...びっくりしましたね。

    淳:オーストラリアでは強盗以外に、アボリジニに襲撃されたこともありました。宿泊先のホテルで夜にガラスが割れる音がして、何かと思ったらアボリジニによる襲撃で。その土地が観光化されることに反対するアボリジニが襲撃に来たんですよね。僕らはその時部屋にいて宿の人に「出るな」と言われたんで、騒ぎが収まるまで部屋で待機していました。でも翌朝フロントのガラスや床が血だらけになっていて。...何だか色んなことに巻き込まれてますね。

    桃:あと、これは事件ではないんですがメキシコでCMに出演したっていう珍エピソードも。携帯会社のCMなんですけど、たまたま日本人を対象にしたオーディションを開催していて。それで軽い気持ちで友人たちと受けにいったら私だけ受かっちゃって...。エキストラじゃなく台詞があるちゃんとした役でした。後日私たちがメキシコを出国した後に友人から連絡があり、どうやら普通に現地のテレビで放送されていたみたいです(笑)。まさか旅の途中でCMに出演するなんて考えてもなかった!

    長綱淳平さん&桃絵さん

    h:本当にそうですよね。ちなみに今後行ってみたい国はありますか?

    淳:今まで機会があまりなかったアジア圏に行きたいですね。旅は日本から遠い土地から順に行っていたので、意外とアジアに行くことが少なくて。カンボジアや中国、インドが気になりますね。インドは1ヶ月ほど滞在していたんですけど見られなかった場所もたくさんあったので。あとはアメリカやオーストラリアを車で巡る旅がしたいですね。現地で安い車を買ってのロードトリップ。それはすごい面白そうだなって。

    桃:でもアジア圏に行くと彼現地の人によく間違えられるんですよね(笑)。ネパールのエベレスト街道を歩いていた時のことなんですけど、他の観光客は大体現地ガイドの人と一緒なんです。私たちはガイドをお願いするほどお金がなかったので2人だけで歩いていて。でも彼が私をアテンドしていると必ず思われてました(笑)。宿へ行くとガイドの人には無料でご飯が出されるんですけど、彼何度も出されそうになってておもしろかったですね。アフリカでも、偶然居合わせた日本人の子と話していたら「どこであの彼見つけたの?」って言われたり。「いや日本人だから」って(笑)。

    長綱淳平さん&桃絵さん

    h:想像するだけでおもしろいです(笑)。長綱さん流の「旅の楽しみ方」って何でしょうか?

    桃:基本的に旅はノープラン。宿で出会った人におすすめの場所を聞いてガイドブックに載っていないところに行くことが多いです。3年半なので荷物も多いし、ガイドブックを持って移動しているとかさばりますしね。宿も現地に着いてから探すことが多いです。私は大丈夫かなぁって心配になるけど彼は「何とかなるでしょ」って楽観的なんです。確かにいつも何とかなったんですよね。でもアフリカで国境を超える時は宿が見つからなくて、国境で働いていた人の事務所に泊まらせてもらったということがありました。アフリカで3ヶ月ほどテント生活をしたこともあります。

    淳:その場では勘で動くしかない。警戒して現地の人を全く信じないのもつまらないし、信じすぎるのもダメだし。ある程度は騙されても仕方ないなって思う気持ちが旅を楽しむコツかもしれませんね。

    長綱淳平さん&桃絵さん

    h:旅をもっと楽しむために、おすすめのアイテムってありますか?

    文庫本でしょうか。宿に旅人たちが置いていく本棚があって、自分の本を置いていく代わりに1冊もらっていいというところがたまにあるんですよ。だから今家の本棚に宿の名前が書かれた本もいくつかあります。

    h:楽しいお話をありがとうございました!では最後に、箱庭読者へメッセージをお願いします。

    1冊ZINEを作ってそれで終わる人もいると思うんですけど、続けていくうちに自分の味が出てくるのでぜひ続けてほしいですね。そのほうが面白い。私たちは"旅"というテーマで作っていますが、そうやって1つテーマがあるとさらに面白くなります。私たちは、自分たちの「好き」を形にして突っ走ってやっていたら、それを好きになってくれる人が世の中にいるんだということを知りました。色んな趣味を持った人がいる中で、自分たちと同じような趣味を持った人に出会えるのはすごく素敵なことです。

    だから特に読む側のことを考えてというより、まず自分たちの好きに作るのがいいと思います。Mount zineのように個人で作ったZINEを出展できるお店やイベントに出展してみるのもおすすめ。そういうところで目にした人が声をかけてくれることもあります。この間、本の仕事で日韓を行き来している韓国人の方がMount zineで僕らのZINEを読んで気に入ってくれて、自分のお店に置きたいという話をいただいたりしました。台湾や韓国でもZINEカルチャーがじわじわ浸透しているので海外へ展開する可能性だって秘めています。ZINEをもっと身近なものとして、そして何より楽しんで作ってほしいですね。

    長綱淳平さん&桃絵さん
    CIMOLO CAFE yokohama
    BOOK246
    東京都港区南青山1-2-6 Lattice aoyama 1F
    TEL 03-5771-6899
    営業時間 平日11時~22時 土日祝11時~21時
    東京メトロ 銀座線・半蔵門線、
    都営大江戸線「青山一丁目駅」 3番出口:徒歩3分
    ※BOOK246閉店のお知らせ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 411

Trending Articles