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「ありがとうの香り」ってどんなもの?『小野寺の弟・小野寺の姉』片桐はいり×向井理×及川光博×山本美月インタビュー(後編)

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こんにちは!箱庭編集部です。
先週に引き続き、映画「小野寺の弟・小野寺の姉」の出演者である
片桐はいりさん、向井理さん、及川光博さん、山本美月さんのインタビュー!
後編は、主に「小野寺の弟・小野寺の姉」のストーリーにまつわるお話をお伝えします。

出演:片桐はいり、向井理、及川光博、山本美月ほか。監督:西田征史。
10月25日(土)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
公式サイト:http://www.onoderake.com/

早くに両親を亡くしてから、ずっと二人きりで一緒に暮らしている、小野寺進(弟/33歳)と小野寺より子(姉/40歳)。モテないワケではないのに引っ込み思案で恋に奥手な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉。弟は失恋の痛手から抜け出せないことを姉にとやかく言われながらも、彼等は一つ屋根の下に、イイ距離感を保ちながら暮らしていた。ある日、小野寺家に1通の誤配達の郵便が届く。その手紙をきっかけに進とより子、それぞれの恋と人生が動き始めるー。
お互いを大切に想い合う不器用な姉弟のそれぞれの幸せの行方は―。
そして、弟が抱える、ある大きな想いとは―。

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質問(以下:Q):今回映画では、"ありがとうの香り"というものがポイントとなっていましたが、
みなさんが想像する"ありがとうの香り"はどんなものか教えていただけたらと思います。
向井さん(以下:向):「ありがとう」を言う側か、言われる側かによっても違いますよね。はいりさんは劇中では言う側で、僕は言われた空気を吸い込んでいましたけど、言う時の香りというのもありますしね。気持ちの香りというか...言われる側の香り...難しいね。
(悩む向井さん)

及川さん(以下:及):さすが理系だね。

向:どっちかなと思って。能動的なのか、受動的なのか...難しいですね。

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Q:原作でも、進は言う側か、言われる側か悩んでいたかと思うんですけど。
片桐さん(以下:片):今ふっと思ったのが、私、映画館でもぎりをやっているんですけど、それで「ありがとうございました」って頭を下げるじゃないですか。そうすると、人が頭を下げたときに、髪の毛のにおいがふわっと香るんですよね。シャンプーだったり、整髪料だったり。

ちょっと今、そういうのがよぎりましたね。頭下げるって日本人特有のものでしょう。

向:良い答えですね。

片:本当? この間、たまたま外人の役やっていて思ったんですけど、外人は「おやすみなさい」って頭を下げたりしないよねって。「ありがとうございました」とか「いらっしゃいませ」とか、このお辞儀の動きってすごいなって思いました。

及:僕はフルーツですね。はっさくのにおい! いろいろ思い返していたんですけど、子供の頃、風邪ひいたり、寝込んでいるときに母親がむいてくれたときの、はっさくのにおいかな。

"フルーツをむいてもらう"という行為に対してすごく感謝しますよね。その看病もあいまって。僕にとっての"ありがとうの香り"はっさくですね。

片:うちも親に果物むいてもらった。父親に。父親が果物むく係だったんだ...なんか、今それ思い出しました。

及:そういうのありますよね。

片:はい。なるほどと思って。

山本さん(以下:山):私はベタベタですけど、やっぱりお花の香りなのかなって思います。花束で、ありがとうっていう香りかなって。

(まだ、悩んでいる向井さん)

向:...なんでしょうね。ありがとう...。あまり、心を込めて言い合うことってない? うーん。意識して言ってないのかもしれませんね。無意識に「ありがとうございました」って、コンビニとかでありますけど。お釣りのにおい...? お金のにおい...? 確かに感謝ですけど(笑)。..."ありがとうの香り"もあまり意識していない感じですかね。

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Q:より子について。不器用な恋をしているより子に、共感できる部分などあれば、教えて頂けないでしょうか?
片:より子は、恋に臆病なのに面食いっていう最悪のパターンですよね。

山:でも、それは少し共感できますよね。例えば、芸能人のファンになる気持ちに似ているのかな?と思います。現実と違うところで恋愛を楽しむというか、リアリティがないというか。すごく理想を求めてしまうというところは、女性ならあるのかなって思いましたね。

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Q:逆に男性陣からみた、より子さんの魅力は?
及:絶対、飲み友達になれるよね。でも、それ以上は...進まない(笑)。

片:そうなんですよね。より子みたいなファッションって、女性はそれぞれ好きな人もいるけど、男性は興味ないですよね?って、及川さんに聞いたら、「うん、あんまり興味ないかも」って(笑)。

及:でもそれは、そもそも論で、女子がかわいいと思うものと、男子がかわいいと思うものって違うじゃないですか。それが、男受けするかどうかって話でしょう?

片:そうそう。男ウケはしないよねって話したんですよね。それで、逆により子のキャラが納得いった感じがしました。自分自身も含めて(笑)。

及:やっぱり行きつけの店の常連客だったら楽しいかと思います。

向:僕はもう姉として見てしまうので、異性というよりは、起きたら台所に立っている人ですよね。だから、そういう意味では、すごく魅力的だと思います。家庭的な面は一番間近で見ているので、母性はすごくあるという意味では、家族としてはすごくいいですけど、やっぱり女性としては見れないですね。どうしても、こういう姉弟関係をやってしまうと。

及:内面の美しさ、人間のよさっていうのはもちろんわかった上ですけど、より子が恋愛対象かどうかっていうのは、企業努力をしていただいて(笑)。

片:そこがかわいそう。まあ、自分も含めてですけど。

及:「モテるためには、どうしたらいいですか?」って、よく女子に質問されるんですけど、男子のニーズを調べてサービスもしないとねっていうことですよね。

山:より子さんって、付き合ったら彼女じゃなくて、お母さんになっちゃいそうですよね。

片:それで振られるタイプなんだと思うんですよ。確かに。世話焼きですし。

向:安心しちゃうんでしょうね。刺激というより。

山:男の人は、もうちょっと頼りにして欲しいと思っちゃいそうだなって感じました。より子さんは、何でもできちゃうから、男の人がさみしいんじゃないかなって。

及:それが、長女の責任感なんでしょうね。がんばっちゃうの、無理してでも。

片:そうやって、世話焼いても焼いたのが裏目に出て報われないので、痛いな...ということは考えましたよ。

Q:互いに"思いやる"気持ちが溢れている「小野寺の弟・小野寺の姉」ですが、
みなさんが"思いやり"っていいなって思った、シーンやエピソードをお聞かせ下さい。
及:それぞれが思いやっていますよね。浅野は別として。遊園地一回行ったけど、初めて来たフリをするという、シーンは好きだったな。あと、姉弟間でいうと畳貯金のエピソードには、グッときますよね。

山:あと「ただいまー」っていうところ。

片:あのシーンね、向井くんは本当にそのために待ってくださったんです。「声だけだから、先録っちゃえば?」って言ったら「いや、いいです。」って。クライマックスだったので、時間がかかったんですけど、「俺、待ちます」って待っていてくれました。

一同:おおー

向:なんか嫌じゃないですか。機械から出てくる声でお芝居するのは。

及:すばらしい! なんか、姿勢を正そうと思いました(笑)

片:そのシーンは思いやりだなと思いましたね。クライマックスで、「うぅ...」って悲しんでいるシーンだったので。現場にいたらやり辛いのもわかってくれて、部屋でゲームかなんかして、待っていてくれたんですよ。

向:進にしても、より子にしても、一緒にいなくても姉弟が頭の片隅にちらちら見えるなっていうのはありましたよね。ムロツヨシくんと飲んでいるシーンでも、姉のことを考えているっていうのがあったし、それが「お前のひとりよがりだ」って言われるけど、それも思いやりが行き過ぎた結果ですし。

山本さん演じる岡野さんの絵本の中にも思いやりはあります。あの絵本、いい話ですよね。あそこにも西田さんの細やかさが出ていると思います。
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Q:もし現実世界に、小野寺姉弟がいたら友達になりたいですか?なったらどんなことしたいですか?
及:ホームパーティーとか楽しそうですよね。

片:でも、現実的に40歳と33歳が一緒に住んでいるって、結構笑えないじゃないですか(笑)。笑えるように作ってはいるけど、普通に考えたらちょっと冗談にならない感じですよね。リアルじゃないかっていったら、現実にもありますし。でも、やっぱりあの二人変だよって感じなので、そういうのを考えると友達にならないかも。突っ込みどころがたくさんあるし(笑)。

向:突っ込む対象としてはおもしろい二人ですよね。

及:そうそう。ケンカしてようが、からかい合っているのを見るのは、楽しいですよね。だからやっぱり常連客がいいのかも...。

片:二人でやっている居酒屋とかいいんじゃないですか?

山:普通に夜ご飯に、お邪魔したいですよね。

片:それはそうかも。でも、なんか女の人が入ってくると微妙な感じになってくるんじゃないの? くっつけようとしているうちは楽しくやっているけど、そのうちギクシャクしてくるのかなとも思いました(笑)。

映画の世界観そのままの、とても和気あいあいとした雰囲気のインタビューでした! 長い時間をかけて、作りあげてきたできた片桐さんと向井さんの関係性は、映画の中でばっちり姉弟として映し出されています。お話はフィクションだけど、映画の制作過程には、そういうリアルな物語もあるんですね。
監督さんとのやりとりや、俳優さんそれぞれの演技や作品に対する姿勢など、ひとつの作品を作る裏側を知ることができました。たくさんの人たちの力でできるんだと思うと、今までとちょっと違った感動もあります。(お話にもあったように、映画に出てくる小野寺家のインテリアやより子さんのファッションがレトロで、とにかくかわいいので必見です!)

不器用で、あったかい小野寺姉弟を見ていると、無性に姉弟や家族に会いたくなったり...。
ぜひ映画館で小野寺姉弟に会ってみてください。

text:花沢亜衣


『小野寺の弟・小野寺の姉』
10月25日(土)より 新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
公式サイトURL:http://www.onoderake.com

監督・脚本: 西田征史
原作: 西田征史「小野寺の弟・小野寺の姉」(リンダパブリッシャーズ/幻冬舎文庫)
主題歌: 「それぞれ歩き出そう」阿部真央 (PONY CANYON)
出演: 向井理  片桐はいり
山本美月 ムロツヨシ 寿美菜子 木場勝己 / 麻生久美子 大森南朋/ 及川光博
製作:©2014 『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会
制作プロダクション:ROBOT  配給:ショウゲート


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