
空き家などの寂れた場所が素敵なコミュニティスペースに
こんにちは。箱庭キュレーターの"ずー"です。
突然ですが皆さんがお住まいの地域はどんなところですか?ご近所さんのことをどのくらい知っていますか?
ご近所さんと楽しく交流する何か良い方法があればと思いますが、なかなか難しいですよね。
今日は、そんな思いからさまざまなプロジェクトを立ち上げた、
アメリカ・ニューオリンズ在住の都市デザイナー、キャンディ・チャンさんについてご紹介します。

空き家の件数がとっても多いニューオリンズ。
もっとご近所同士が知恵や思い出を自由に共有できる場がないかと考えたチャンさんは、
ステッカーやステンシルなどを利用し、地域を生き生きとしたものに変える方法を思いつきました。
その一つが"Before I die"プロジェクトです。

空き家になっていた家の壁に大きな伝言板を設置し、
そこに"Before I die, I want to______.(私は死ぬ前に___したい)"
という穴埋め式の質問をステンシルでいくつもプリントしました。
通りがかった人がチョークを手に取って、自由に自分の考えを表現できるようにしたのです。

すると翌日にはそこがすべて埋まっただけでなく、欄外にまで答えが書いてありました。
数年前に大切な人を亡くし苦しんでいたチャンさんですが、
近所のみなさんの夢や希望を読んで笑ったり泣いたり、慰められたり。
自分は一人じゃないんだと思うことができたそうです。

回答は「金無しで生きる」「お母さんに愛しているよと言う」「子どもの頃の夢を追いかける」「猿を買う」「小説を書く」などさまざま。
現在ではチャンさんのこのアイデアに賛同した人たちが、世界中でこのプロジェクトを展開しています。
皆さんならこの質問に何と答えますか?

(左上より時計回りに)"Before I die"キット、南アフリカ、カザフスタン、アルゼンチン
また、空き店舗の壁などを利用してこのようなプロジェクトも行っています。

"I WISH THIS WAS___.(ここが___だったらいいのに)"
と書かれたステッカーに、地域の人が思い思いの考えを書き、空き店舗の壁や窓などに貼っていきます。
コミュニティに、そこに暮らす人たちの必要や夢を反映させる素敵なツールです。

(左上より時計回りに)「食料品店だったらいいのに!」「うちの子が安全に遊べる場所」「きちんと舗装されていたらいいのに」「ブラッド・ピットの家」
他にも、街のいろんなところに
"IT'S GOOD TO BE HERE.(ここに来られてうれしい)"とペイントするプロジェクトも。

ご近所がこんなふうに夢のある場所になったらいいなぁと思う"ずー"でした。
◆参照元
キャンディ・チャンさんのプロジェクトサイト
"Before I die"に関するTEDスピーチ
◆箱庭キュレーター

ずー
箱庭のガッコウ6期生。ニックネームの由来は、本名と「ズーズー弁」から。
一人旅とお酒をこよなく愛する東北人。国内外問わず、旅先で意気投合した人と飲みに行くこともしばしば。興味は雑多。
とにかくいろんな色彩に囲まれて暮らしたいと思っている。