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「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」レポートの巻

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単位というフィルターから見える世界のひろがり

こんにちは!MORIFUMIです。
いま大注目の展示「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」のプレスプレビューに行ってきましたので、
そちらの模様をレポートします。

いつも楽しい展示を届けてくれる21_21 DESIGN SIGHTが今回テーマにしたのは、「単位」。
なぜ「単位」なのか。
企画進行を担当する前村達也さんは、このように説明してくれました。

’「テマヒマ展<東北の食と住>」「デザインあ展」「コメ展」などの展示を担当してきましたが、
その中で本当に多くの方にリサーチをしてきました。
お話しさせていただく方々が70~80代の方も多く、
その方々がお話しするときに使用する単位が「尺貫法」が多かったんです。
「尺貫法」は私の方はそれまであまり馴染みがなかったのですが、
それが分からないと、リサーチをしている方々とお話ができない。モノのイメージがわかなかった。
「尺貫法」を勉強し始めた途端に、リサーチをしていた方々が言っていることがすごく理解できはじめた。

いろいろと単位を調べ始めたところ、単位というのは外国の言葉のように
その一つの単位を通して、思い描いていたイメージを共有することが出来ます。
共有のツールというものを通して、デザインというものを見せていけたら面白いと思いました。


私自身、普段何気なく使っている「単位」について、いままで深く考えたことがなかったですが、
「単位」というツールのがあるからこそ、イメージを共有することが出来るんですね。
そして、メートル法の現在、なぜ「尺貫法」を使っているのか。ということについても、
アジア人の体の部位を使って表現された単位なので、アジア人には馴染みのある単位だと説明してくれました。
人間がイメージを共有するために様々な知恵を使って生み出した道具が「単位」であり、
「単位」は文化や歴史とも繋がっている。
あらためて「単位」というツールの重要性に気づかされます。

さらに「単位展」は、これまでの企画展のように1人のディレクターは置かずに、
デザイナーや建築家、研究者らによる10人で「展覧会チーム」を結成。
約1年かけて話しあい、展覧会プランを練ったというだけあって、
単位を知ったり体感したり、単位からデザインを学んだり、
とにかく楽しい!本当に楽しい展示会になっていました!
プレスプレビューなのに興奮してしまう私。時間ぎりぎりまで楽しませていただきました!
そんな展示会の様子をちょっとだけご紹介しますね~。


プロダクションスペース
まずはこの展示会のはじまりとなったいくつかの展示がありました。

単位のはたらき
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単位には6つの役割があり、これらの6つの役割が展覧会の展示の作品に反映されているということでした。
普段は単位がどんな役割をしているかとじっくり考えたこともないですが、
こんな役割があるんだなーとあらためて気づかされます。
ちなみにイラストは、ショップでもグッズの取り扱いがあるのりたけさんが担当しています。

メートル原器(レプリカ)
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展覧会のはじまりのちょっとした象徴である、メートル原器のレプリカもありました。
メートル原器は、1799年に「北極点から赤道までの長さの1000万分の1の長さ」をもとに製作され、
1960年まで1mの基準として用いられてきたんだそうです。
mという単位もそうやって地球を元に決まっていったんですね~。
日本人はメートルを使い始めてから、まだ120~130年だそうです。尺貫法の名残があるのも分かりますね~。

1 Meter Party
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その横には、オランダのアーティストHelmut Smits氏の作品で、
自身の子供の身長が1mになった時に祝った「1 Meter Party」が飾ってありました。
ケーキやレゴブロックなどすべて1mの長さで作ったそう。
身長が何センチになったと言って祝ったことがある人は少ないと思いますが、面白いですよね!
そういう風に年齢だけじゃなく、いろんな単位で区切りのある時にお祝いするのは楽しそう~。
5/5こどもの日には、「1 Meter Party」のイベントがあり、Helmut Smits氏もいらっしゃるそうです!

りんごってどれくらい?
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サブタイトル「あれくらい それくらい どれくらい?」にもあるように、
単位として確立される前は、体で表現することが多かったそうで、実際にそれを体験できます。
自分が思うリンゴの大きさを手で描くようにすると、実際描いた丸が何の大きさなのかが出てきます。
みんなの作ったものがどんどん右に移動していくので、前の作った人のリンゴの大きさと比較もできます。
体で表現すると、同じリンゴでもやっぱりみんなのイメージはバラバラ。

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これ、とっても楽しくて、後ろに行列ができていないのを確認して、色々遊んじゃった!
実際は約70種類の丸い大きさのモノがあてはまるそうで、
こちらを制作したパーフェクトロンさんと一緒に、一番小さいモノを出してみようってやってみたよ!
ちょっとだけコツがいるんです。一番小さい丸は、グリーンピースでした。
色々楽しめるのでぜひ展示会に行ったらやってみてください!


ギャラリー1「基礎の単位を学ぶ展示」
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ギャラリー1は、単位を比較で見せる展示になっています。
基礎的な単位のグラフィックな比較展示や、体感で比較できる展示、
マッハ1など具体的にどのくらいの速さなのか分からないような単位も
映像で可視化することによって分かりやすく伝授してくれる展示になっています。

質量の比較
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1lbって何kg?って言葉で聞くよりも、実際に手に載せて体感する展示。
乗せてみた結果、1kgの半分くらいの重さなので、1kgを乗せた後に乗せると軽い!!ってなっちゃいました。
他にも比較できる重さの単位が色々ありましたよ~。

お金の比較
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日本のお金を使って、長さや重さを測れるって知ってました?
千円札2枚をつなげると約1尺の長さになり、500円玉5枚を重ねると1cmになるんだそうです。
定規やはかりの役目も果たせるんですね!


ギャラリー2「単位の応用を楽しむ展示」
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ギャラリー2では、単位をテーマに様々なアーティストの方々がつくった作品が紹介されていました。

ことばのおもみ
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日本語の「゛(濁点)」を1gと仮定して、それぞれの面積比から重さを計測できる作品。
はかりでは、「しごと」と「かてい」が量られていたよ。かていが少し重かったー。
仕事も大事だけど、家庭を大事にしようってことかな。

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自分たちで好きな言葉を入力して量れるデジタルはかりの展示もありました!
私たちは自分の名前の重みを量ってみたよ。ふみこが重いかと思いきや!!

長さの比較:1から100のものさし
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身の回りにある1cmから100cmの長さのものを並べた展示。
この企画は参加型のWeb企画でWebから応募されたものや、
企画チームで見つけたもの、多摩美術大学の生徒さんと見つけたものが並んでいます。

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実はまだ見つかっていない長さもあって、たとえば81cmや85cmは募集中でした!
みなさんも身の回りのものを測ってみてください。

無印良品の単位
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無印良品のユニットシェルフでくみ上げた空間。
無印良品の多くの製品が日本の家の規格尺貫法を元に作られているそうで、
中の空間に入ると、日本の家屋を感じることができるようになっています。
私も自宅で収納用品など利用していますが、どうりできれいに収まるはずですねー。

わたしの単位
わたしの単位として9人の作家さんが制作した単位。
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たとえば、大日本タイポ組合さんの「年がら年寿」という作品。
90歳のお祝い「卒寿」は、「卒」の略字「卆」が「九十」と読めることから、
99歳のお祝い「百寿」は「百」から「一」を引いているところからきています。
いつどんな年齢もお祝いできるようにしようと、漢字に含まれる数字をみつけて、年齢を祝うための単位。
面白いなぁ~。はんこで自分の年寿を押して持ち帰ることができます。
ちなみに私は、者寿。しおりんは、引寿でした!


ショップスペース
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会場1階スペースはショップスペースになっています。
初めての試みとして、なんとショップは無料開放!誰でも開館時に無料で入ることができます。
これだけ大規模なスペースにしたことも初めてだそうです。

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ショップでは、オリジナル手ぬぐいの切り売りサービス、廃棄物を素材として捉えた量り売りサービス、
ものの値段とデザインが一致する「値段」という「単位」をモチーフにしたグッズなど
展覧会にちなんだオリジナルグッズやサービスがたくさん詰まっています!
無料開放ですが、おそらくショップに行ったら展示を見たくなる気がします。


さて、色々とご紹介してきましたが、ここで紹介した展示は、まだまだほんの一部!
この他にも楽しい展示や作品がいっぱいあり、ワクワクできる展示会です。
展示会を見終えた後も、普段から使っていた「単位」から少し違った世界が見えてくると思います!
ぜひ、みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうかー。


企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」
会期:2015年2月20日(金) - 2015年5月31日(日)
休館日:火曜日(5月5日は開館)
開館時間:11:00 - 20:00(入場は19:30まで)
      *4月25日(土)は六本木アートナイト開催に合わせ、通常20:00閉館のところを特別に24:00まで開館延長します(最終入場は23:30)
入場料:一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
      *15名以上は各料金から200円割引
      *障害者手帳をお持ちの方と、その付き添いの方1名は無料
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会
助成:オランダ王国大使館
特別協賛:三井不動産株式会社、株式会社イッセイミヤケ
協賛:株式会社 良品計画
協力:株式会社エヌ・シー・エヌ、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、セイコーホールディングス株式会社、株式会社 竹尾、
    公益財団法人竹中大工道具館、東京都計量検定所、パナソニック株式会社、株式会社マルニ木工、宮坂醸造株式会社(五十音順)

会場:21_21 DESIGN SIGHT
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
電話:03-3475-2121
地下鉄:都営大江戸線・東京メトロ日比谷線「六本木」駅、千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分

◆参照元


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