
グラフィックデザイナーAmandaが案内する
スウェーデン国立美術工芸大学Konstfack
みなさんこんにちは、箱庭キュレーターのmayaです。
さて今回は、『人でつながるストックホルムの旅』第二回。
スウェーデンでも人気のグラフィックデザイナーAmanda Berglundさんが、
Konstfack スウェーデン国立美術工芸大学を案内してくれました。

キャンパスのある一帯は、昔、電話会社エリクソンのビルがあった場所で、
現在はその建物が改築され、2004年からKonstfackのキャンパスや、
オフィス、アパートとして使われています。
駅名も、"Telephonplan" といい、電話会社時代の名残が感じられます。

Konstfackは、ヨーロッパでも有数の芸術大学で、スウェーデンでは最大です。
あの『ムーミン』を生んだTove Janssonもここで学びました。
卒業生には、日本人にも愛されているテキスタイルデザイナーのStig Lindbergなど
多くの有名デザイナーを輩出しています。
今回会った、イラストレーターのRuiここの卒業生のひとりです。

高校からそのまま入学できる人は少なく、一度大学を卒業した人や、
デザイン事務所やフリーランスで社会経験がある人が大半らしく、
Amandaも一度、広告関係の仕事をしたのち、去年ここに入学しました。

クラスは8~10人と少人数制で、
学生にはオフィスのようにひとりひとりデスクがあります。
また、教室にこもって頑張る学生にと、学科の教室ごとにキッチンもついています。




機材なども驚くほど充実していて、話題の3Dプリンタをはじめ、
数百年前の活版印刷機など、ヨーロッパでも最大級の設備を完備しています。




今回はAmandaの学ぶグラフィックデザインの教室の他に、
金置加工室や木工室、陶器室なども、ちらりと覗かせてもらいました。



毎年12月にキャンパスで行われるクリスマスマーケットは、
最寄りのエイまでつづく長蛇の列ができるほど、
ストックホルム冬の人気イベントになっています。
それ以外にも、学生たちの作品展示・販売のブースが期間限定でオープンしたりと、
毎日何かがおきているのが、このオープンスペース。
この日は、ポップアップのKONSTFACK STOREがほんの数時間だけ登場し、
学生や外部からのお客さん、バイヤーでにぎわってました。

ぐるりと一通りツアーが終わったあと、
Amandaが同じくKonstfackに通う彼氏のErikと制作したzineをプレゼントしてくれました。
"RAINY DAYS" と題されたこのzineでは、いろんな人の雨の日の過ごし方が、
ふたりのすてきなデザインとイラストレーションで綴られています。
今回の旅でお世話になったPatrickが運営するPEOW STUDIOでリソグラフプリントしたらしく、
なんだか色んなところで繋がっていておもしろいです。


というわけで、スウェーデン国立美術工芸大学Konstfackツアーはこれにて終了。
学費は無料、世界有数の設備に、キッチンつきの教室。
学生がのびのびとものづくりできる環境を第一に考えた先にあったのが、今のKonstfackの姿でした。
数多くの有名デザイナーを輩出している、デザイン大国スウェーデンの秘密がちょっと分かった気がしました。